どうも段田です。
2016年がVR元年と言われて、VR関連の商品やゲーム、アトラクションが多く聞くようになりました。
そして、私自身もPSVRを購入して、VRゲームを遊んだのですが、これがかなり衝撃的でした。
真面目に体中に電気が走ったような感覚で、VRに一目惚れしました(笑)
そして、これをきっかけにVR関連のニュースや情報を調べるようになり、段々と自分の中で「VRを学んでみたい」とVRに対する興味が大きくなりました。
ネットで情報はある程度収集はできるのですが、部分的な情報だったりで、
プログラミング言語やツール・ソフト、機材など、何がベストプラクティスなのか把握できないことがあり、
1から学ぶにはちょっと難しいなあと感じていた時に気になった書籍が、MdNさんが出版している「VRコンテンツ開発ガイド 2017」でした。
私が参加している染谷昌利さんのギガ盛りブログ飯 のギガ盛りUnlimited(β版)を利用して、
今回「VRコンテンツ開発ガイド 2017」を読ませて頂きましたので、簡単に紹介できればと思います。

書籍の全体構成
「VRコンテンツ開発ガイド 2017」の全体的な構成は
Chapter1 近代VRの基礎知識
Chapter2 VRソフト開発環境の概状とヘッドセット別開発手法
Chapter3 実例にもとづく最新ハードウェア向けソフトウェア開発
Chapter4 VR用パノラマ動画のUnity実装
Chapter5 WebVRコンテンツの開発手法
となっています。
VRは、ゲームの他にVR ZONE SHINJUKUに代表されるようなVRアトラクション、
不動産内覧など360°パノラマ、最近耳にするようになったWebVRなど急速に発展しています。
そうなってくるとVRでの開発は抑えておかないといけない技術範囲が大きくなっていきますが、
「VRコンテンツ開発ガイド 2017」では基礎知識からViveによる実装方法、パノラマ動画、WebVRまで押さえた内容になっているので、
この一冊あるとまずは良いと思えます。
また、各Chapterでは最前線で開発しているVRエンジニアの皆様が開発手順、ポイント、ノウハウが書かれていて、
読み応えのある書籍になっています。
またMdNさんのサイトで試し読みできますので、参考に見て頂ければと思います。
以降は各Chapterの内容を簡単に紹介したいと思います。
Chapter1 近代VRの基礎知識
Chapter1 近代VRの基礎知識ではVRハードウェアの歴史を1960年代から現在まで紹介しているのですが、
元々VRハードウェアは数百万とコスト高いものだったのが、Oculusなどがどのような手法で安価にできたのかということも、わかりやすく紹介しています。
(ヴァーチャルボーイの名前もサラッと出てきます(笑))
そして、ソフトウェア側のタイムワープ、レンダリング技術の説明もあります。
恐らくこの部分は一度読んだだけではピンとこない部分もあるかもしれません。
もし自分でVRデバイスを持っていれば書籍読みながら、試してみるのが良いかもしれません。
だいたい40ページほどの構成になっているのですが、とても濃い内容で書籍全編を通して個人的に一番読み応えがありました。
先程も書きましたが、VRデバイスで試しながら読むとより理解が深まると思います。
Chapter2 VRソフト開発環境の概状とヘッドセット別開発手法
Chapter2 VRソフト開発環境の概状とヘッドセット別開発手法ではVRアプリケーションで利用されているUnityとUnreal Engineの特徴を説明しつつ、HTC ViveとOculusRift用のサンプルコードとエディタでの作成手順が載っています。
サンプルコードは両方のVRハードウェアを所有していないので、実際に確認はできていないのですが、それぞれコントローラーの挙動から振動までを確認することが出来ます。
このChapterでは他にもVR酔い対策、展示時の注意点などノウハウがあり、
基礎の他に開発現場のノウハウを知れるのはすごく良いと思いました。
Chapter3 実例にもとづく最新ハードウェア向けソフトウェア開発
Chapter3 実例にもとづく最新ハードウェア向けソフトウェア開発では筆者が開発したVRゲームの開発経験から
ノウハウを解説していて、一部コードも掲載されています。
これからVRゲームを作ってみたいという時に実際に開発した方のお話を読めるのは目から鱗でした。
Chapter4 VR用パノラマ動画のUnity実装
Chapter4 VR用パノラマ動画のUnity実装ではパノラマ動画がどういう仕組みになっているのか、撮影機材から編集ツールの紹介、
Unityを使ったパノラマ動画再生アプリの作成方法を解説しています。アプリの作成はサンプルコードもあり、ベースはPC向けですが、iOS・Android向けの作成手順も掲載されています。最後には動画作成時のTIPSもあり、すごく丁寧な内容となっています。
そして、このChapterで使われた動画、コードはMITライセンスで公開されていますので、
試しながら勉強ができるのですごく助かります。
Chapter5 WebVRコンテンツの開発手法
Chapter5 WebVRコンテンツの開発手法では現在のWebVR事情の解説から世にでているVR用のフレームワークの紹介、
WebVR Boilerplateを使ったサンプルコード、草案段階のWebVRAPIのサンプルコードが掲載されています。
WebVR自体はまだこれからの技術なのですが、Webブラウザで動作を確認できるので、VRハードウェアがまだない場合、まずWebVRで学んでみるのがよいかもしれないです。
VRに興味が出たら読みたい一冊
冒頭でも書きましたが、抑えておかないといけない技術範囲が大きくなり、(独学だと)1から学ぶには情報収集など手探りになることがあり、
結構ハードルが高いので、VRに興味がでてきたり、やりたいと思った時に最初に読んでおきたい最初の一歩の本だと感じました。
また、書籍の内容はHTC ViveなどのVRデバイス利用を想定している部分が多いので、
デバイス持っていない場合、最初に「Chapter4 VR用パノラマ動画のUnity実装」や「Chapter5 WebVRコンテンツの開発手法」をやって、VR開発の取っ掛かりをつかむのが良いかもしれません。
浅く広い内容かと思ったんですが、想像以上に深い内容でしたので、読み応えあるしょせきになっています。
(読み返したり結構時間かかりました。)
私自身も一通り読んだので、できる部分から弄っていて、環境整い次第本格的にやっていきたいなと思います!